着物が好きになるのと平行して、
手仕事の味わいに心惹かれ
日本の伝統的なものの美しさがあるものだなあって。
近年、興味がぐっと高まったものの一つに焼き物があります。
着物人でも
備前焼や
古川まみさんの器など
土田が出会い、素敵だなあと思ったものを紹介させていただいています。
さて、萩は今回の旅で是非訪ねたい場所でした。
いいところよ〜なんて話もちらほら聞いていた事もあります。
萩へは下関から電車でガタゴトガタゴト。
観光列車みすゞ潮彩号というのにも乗ったり、
途中、詩人金子みすゞの故郷、仙崎に途中下車などもしました。
萩は素敵な町でした。
城下の町並みが至る所に残っているのですが、
京都などとはまた違う趣きでした。
そして、萩焼。
町にはたくさんの焼き物屋さんやギャラリーなどがあって
その数に圧倒されました。
萩焼の起源は約400年前豊臣秀吉の文禄・慶長の役で連れ帰った朝鮮の陶工2人が毛利輝元のもとで、萩で窯を開いたところから始まったようです。
伝統的に朝鮮式の蹴りろくろで作られるそうで、絵付けはほとんどされず、土の配合や釉薬のかけ具合、ヘラ目など、要するに手仕事による味や偶発する効果を大切にしているようです。
そういう点では、備前焼も同じような魅力がありましたね。
登り窯で1200度の低火度で長時間ゆっくりと焼くので、柔らかい感触で、土がそれほど焼きしまっていないので、吸水性があり、長く使っていくうちにお茶やお酒が浸透して茶碗の色が変わっていきます。その事を茶人の間では、
『茶馴れ』といって珍重されたり、また、
『萩の七変化』なんて言われたりします。
わかりやすい特徴の一つに、貫入があります。
貫入は、釉表面のヒビのことで、これは、窯出しの時、または窯出し後の冷却の時に、素地の収縮よりも釉薬の収縮の方が若干大きいために入るヒビ。萩焼きでは多くの陶器が貫入をもっているため、水分は貫入を通して直接素地に滲み込みます。
詳しくは
こちらをごらんください。
変化を楽しめる貫入がわかりやすいのはお茶を飲む器かなあと思って
抹茶がおいしく飲めそうな茶碗と湯のみを買いました。
お店のひと曰く、茶碗は大きめの小鉢として前菜を盛りつけてもいいし、
カフェオレを飲んでもいいのよと。
決して安いものではありませんが、いい味出しています。
家に帰ってきてさっそく何かにつけて使っているのですが、
最初は水漏れしていましたが、
徐々に止まり、
今はこんな状態。
わかるでしょうか?
釉薬のヒビに茶渋などがしみ込んで違った雰囲気の器になっています。
ほんの数日間使い続けただけなんですが、変わりました。笑
今後も楽しみ。
長く使えるものって素敵ですね。