浴衣制作も3、4週めをむかえました。
まだ始まったばかりですし、
1回2時間なので、劇的にすすむ訳でもないのですが
着実に浴衣完成には近づいています。
居敷当てと肩当てを作ります。
出来合いの浴衣は
裏にそんなものはついていません。
お誂えならではですね。
居敷当ては浴衣の裏、お尻の部分につく晒(さらし)の布です。
お尻の部分て結構力が加わる部分ではありますが、
背縫いしかないですよね。
補強にもなるし、透け防止のような役目です。
肩当ては、汗とりの役目が大きいです。
浴衣は、着物以上に肌に近い部分に着るし、
ちゃんと手入れしないと長い年月をかけて
汗しみなどで黄ばみが浮き上がってきます。
なので、肩の部分に布をつけてあげます。
写真は肩当て。
横向きに切り込みが入ったところに首が来るかんじです。
布の端は三つ折りぐけ。この半年で随分慣れてきました。
まだ途中です。宿題です。
袖の印付けをします。
今回1尺3寸5分の袖。
本当は1尺4寸の予定だったのですが、計算を間違えて裁っていたことが判明。
それでも、標準寸法とされる1尺3寸(約49cm)よりは5分(2cm弱)長めです。
袖の丸みもかわいーく。大きめの2寸です。
2尺だとだいたい振袖などと同じくらい大きい丸みですが、
こんな遊びがきくのも、浴衣だからこそのこと。
袖は長めだし、丸みは大きめ。かわいらしいのを作ります。
あらかじめ家で作ってきた2尺の丸みも使って、印をつけて
縫いはじめました。
絞りの生地はコーマ地に比べ、薄くて、目も粗くて実に縫いやすい!!!
その分切れやすいのかもしれないけど。
涼しく着られそうです。いいの選びました。
きせをかけて、
丸み部分に沿って、ぐし縫いして、
丸みの型紙を当ててぐし縫いのぐっと絞って、糸はとめます。
なるべく薄くなるようにギャザーを整えて
ギャザーを糸で縫いとめていきます。
袖下の布端も三つ折りくけで処理します。
右袖が形になってきました。
丸みはこんな感じになっています。
袖口を三つ折りくけ縫いします。
普通の三つ折りくけは2分5厘の縫い目に対して
袖口のくけは1分くらいでします。細かいのでなかなかすすみません。
私は、たぶん1分3厘くらいになってしまっています。汗
振りの部分も三つ折りくけをします。
裏返して
右袖が完成!!!
ご一緒している生徒さん2人のお袖と一緒に記念撮影
みんな青系でしたね〜。でも、絞り、綿絽、コーマ地とそれぞれ風合いは全く違います。
出来上がりが楽しみです。
お家で宿題をして、両袖ともに縫い上がりました。
お袖は『押し』をします。
こんなふうに
袖口に袖口サイズに作った台紙をはさんでのばしながら
押し半日〜一日座布団をのせて、その上にさらに重しをのせておくと
くけあとでヨレヨレだった袖口が
ぴしっとして気持ちよい仕上がりになるんだそうです。
和裁の先生によると、
仕立て上がった着物にアイロンをかけてしまうと
ぺたっとしてしまうし、縫い代が表側にひびいてテカってしまったりします。
これでは手縫い独特のふっくらして柔らかい風合いが消えてしまうのです。
また、袖を最初に縫って、押しをしておけば、
身頃に取り付けるときには仕上げが済んでいる状態で取り付けられ、
最後の仕上げの押しをすると全体にスッキリ綺麗に仕上がるんだそうです。
そんなことからも、着物はお袖から縫い始めるらしいです。
手順に無駄がないし、
寝押しという昔の知恵が生かされていて合理的な
仕立て屋さんってやっぱりすごい!
来月からは身頃を縫い始めます。
長い距離を縫う事になるでしょうに。ついていけるかしら〜。
完成したお袖は最後に使うのだそうです。
次回に続く。