四国の有名な着物と言えば
徳島の阿波しじら、藍染め。そして、香川の保多織。
徳島出身のお友達が身近にいることもあり、
時たま、このブログでも徳島のものやことをご紹介していますが、
今回の旅行でできたら
徳島で藍染めを体験したいなあと思っていたし、
あわよくば、阿波しじらの反物を手に入れようと思っていました。
しかしながら、
祖谷渓、鳴門、眉山など観光、
そして踊る阿呆に見る阿呆、阿波踊りに夢中で
その時間は取れませんでした。笑
で、香川・高松でたまたまガイドブックの地図に載っていた
保多織の専門店に立ち寄る機会がありまして、行ってきました。
というか、
買ってしまいました。爆笑
たくさんの色を使っているから光の加減もあるけど、
遠目から見るとずいぶん雰囲気が違いますよね。
黄緑ベースです。
実のところ
保多織にはそういうものがあるのは知っていましたが、
あまり興味がありませんでした。
が、実際に触ってみると驚くほどの肌触りの良さ。
木綿なのになんだかしなやかで量(かさ)のわりにはとても軽い。
それでいてちょっとふわっとしてて
へー保多織ってこういうのなんだ〜と思った次第です。
その肌触りから欲しくなってしまいました。
冬も夏も快適に過ごせるらしいです。
いやー、まだ試していないからわかりませんけどね。
木綿の着物って、浴衣以外持っていないですから。
普段木綿着物一枚も持っていないから、そして旅の思い出に!
なんて理由をつけつつ、1反買いました。一万円也。
旅に出ると、財布のひもが緩みがちです。
過去にも
京都の紫織庵で長襦袢を誂えた事があります。
あの時、私にとっては
清水の舞台から飛び降りるくらいの勢いの良い額でしたが、
今回はお財布に優しい木綿の反物です。
柄は相当悩みました。
木綿の織の着物って、結構渋い色味が多い気がします。
とはいえ、すぐに誂えず、
和裁教室で単衣の着物を縫う時までとっておく予定です。
また着物の形になると、ずいぶん雰囲気が変わるんじゃないかなあともいます。
保多織(ぼたおり)
岩部保多織本舗さんのホームページによると、
いつまでも丈夫なことから「多年を保つ」という意味で命名されたそう。
1689(元禄2)年高松藩主・松平頼重公が産業開発と幕府への貢献のため、命を受けた京都出身の織物師・北川伊兵衛常吉によって創られた一種独特の絹織物に始まったとのこと。
最初は絹織物だったのですね。これには驚きました。
高松藩の保護を受け、幕府への献上品として使われたことから、江戸時代は上級武士にしか着用が許されず、また、独特の技法は北川家が六代にわたり、一子相伝の秘法として受け継がれたそうです。
明治維新後、北川家と血縁関係にあった岩部家初代・岩部恒次郎が、絹から綿中心に切り替え、
同時に機械化も進め、その用途を広げてきたそうです。
木綿に変わったのは明治維新後。
絹だとどんな風合いだったのでしょうね。
地場産業としてピークを迎えたのは1960年前後で、保多織を作る織物会社が県内に数社あったそうですが、現在では訪ねた岩部保多織本舗のみだとのことです。
お店では、香川県指定の伝統工芸士でもある岩部家4代目・岩部卓雄さんが対応してくださいました。
最近では布幅も洋生地が多いそうです。
同じ織り機で幅を変えるだけだから、洋生地のほうが効率もいいらしい。
店内には、保多織のブラウス、シャツなどの洋服、小物類、シーツなんて言うのもありました。
風合いのよさがわかり、生かされるシーツやパジャマなんてかなり良さそうでした。
お手入れも、洗いざらしで良いって教えていただきました。
で、私はもちろん反物で買いましたけどね。
近くで見るとこんな感じ。織の特長わかるかしら?
毎年、伝統工芸展で全国をまわっているそうです。
遭遇したときには、ぜひ岩部さんと話してみていただきたいです。
色々お話しうかがえ、たのしかったですよ。
岩部保多織本舗
address:香川県高松市磨屋町8-3
tel:087-821-7743
open hour:9:00〜18:00
closed : 日・祝日
access:JR高松駅より徒歩10分